子育て本のキーワードに、「自己肯定感」や、「非認知能力」という言葉が多く出回るようになって、久しいですね。
我が家は、一番下が小5になり、子育てを今から学ぶことは少なくなってきたけど、近年の本も気になるものはチェックしています。ベストセラーの本は時折読むようにしています。
最近になって読んだのが、ポール・タフの「私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む」。
出版は2017年なので、少し前ですが、話題になっているのか、店頭に平積みされていて、とても面白そうだったので購入してみました。
子育ての本には、大きく2通りあります。
一つは、子どもの学力を上げる、という趣旨の本。
もう一つは、性格を含む全体的なバランスのよい人格を育てよう、という趣旨の本。
個人的には、学力を上げるのも大事だけど、それ以前に健やかな人格形成、というのが大前提で、学力の向上というのはその先にあると思っています。
もちろん、学力がある人全てが人格者というわけでもないし、バランスのよい全ての人が学力が高いわけでもない。でも、学力だけが高くても、幸せな人生を送れるとは限らない。
この本は、「非認知能力」を伸ばすのに非効率的な悪い環境とはどういうのものか、そして悪い環境が子どもの非認知能力を伸ばす妨げになっている、と書かれています。
そこで、気になったのが、幼少期の母親との関わりについてです。
蘇る「3歳児神話」
かつて、「3歳児神話」という言葉がありました。
1. 子供の成長にとって幼少期が重要である。
2. この大切な時期は生みの母親が養育に専念しなければならない。なぜならお腹を痛めたわが子に対する母の愛情は子供にとって最善だからである。
3. 母親が就労などの理由で育児に専念しないと、将来子供の発達に悪い影響を残す場合がある。
今では信じられないかもしれませんが、ひと昔前には、まことしやかに言われていたことです。
この「3歳児神話」の呪縛によって、多くの母親が悩まされてきました。もっと子どもと関わるべきじゃないのか。子どもがよくない行いをしたら、3歳までの関わり方が悪かったんじゃないのか。
この考え方は、多くの母親を家庭に縛り付けておくのにはうってつけでした。一方で、働く母親は、これにどれだけ悩んだことでしょう。お母さんが自分自身を責めるだけならまだいいのです。保育所に子どもを預けることに、周囲からの「3歳児神話」の攻撃や圧力に悩んだものです。
この「3歳児神話」においては、科学的エビデンスがあるものからないものまで、擁護派から否定派、賛否両論あります。
羽仁もと子氏は、「育児のしおり」にて、教育では母親が子供に慕われることが大切であり、慕われるためには「昼も夜も手塩にかけて保護を与える」ことだと説いています。
とはいえ、共働きの家庭が増えるに連れてか、いつの間にかこの話をあまり耳にすることが少なくなったようです。
厚生労働省は1998年「「これらのことを踏まえれば、三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない。」という記載を『厚生白書』に記載しています。
ポール・タフの「私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む」では、幼少期、とくに3歳までの環境、とくに母親との関わり方の重要性が説かれています。
これを読んで、最近、あまり耳にすることがなくなった「3歳児神話」を思い起こしました。
結局、私が20年以上も前に読んでいた育児書とは、ほとんど代わりない内容だった、ということです。
手を変え品を変え、ある育児書は年齢別、ある育児書は性別に、または子どもの性格別に、こうやればいい、ああやればいいと書かれているけど、けっきょく今話題の本を読んでみても、以前と変わらないことが書かれているんだな、というのが第一印象です。どの育児本も、大抵は既視感があります。
結局、子育てに大切にするべきことって、時代が移ろってもそれほど変わらないのかもしれません。
3歳児神話の「誤ち」とは
エビデンスがないと厚労省が認めた「3歳児神話」。
でも、それで幼少期の保育者の関わり方や環境が、子どもの成長に大きく影響することは、今も昔も語られています。
「3歳児神話」に間違いがあったとしたら、それは「母親」に限定したことなのかもしれません。
もちろん、重要な関わりは母親だけが担うものではないし、おばあちゃんやお父さんだって代わりをすることができます。
そういう意味では、「3歳児神話」は、お母さんだけと限定したことは、間違いだったといえるでしょう。
とはいえ、私はやはり母親がするのが最適、とあえて言いたい。
というのも、妊娠、出産をするのは母親。お父さんは母乳を出すことはできません。産後はすぐに日常に戻ることはできず、人によっては数年も元の身体、生活には戻らないのです。物理的な身体の構造が違う以上、むりやり社会的に同等に、やろうとすればするほど男性も女性もストレスが溜まります。
男女平等とか、機会均等とかいうけれど、あまりに平等を唱えすぎると、産後のお母さんが育児も仕事も頑張りすぎなければならない、という理不尽なことが起こってしまう、ということだってあります。
男性らしさや女性らしさを他人に強要すればセクハラと言われる。どちらも中性的になって、同等にするのではなく、男性らしさ、女性らしさを長所として活かすほうが、よっぽど合理的であり自然です。
周りのサポートを上手に得ながら、子どもが3歳ぐらいまでの大変な間は、せめてゆったりと子どもに向き合って生活できるのが理想だな、と思うのです。
私自身が、必ずしもそうはできなかった反省も込めて、若いお母さんたちには、その大切な時期には、しなくていいことは、思い切ってやめてみる。しなくていいこと。それは、家の仕事かもしれないし、外で長時間働くことかもしれない。人によってしなくていいことは異なります。でも、その時、その瞬間に、一番大切にしていることに、精一杯尽くす。子どもの幼い時は、その時だけなのだから。
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