書籍「世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」を読みました。
著者芳子ビューエルさんは、北欧の雑貨や家具の輸入をしていて、昨今の北欧ブームの礎を築いた方。この本では、デンマークの暮らしや家庭の様子を紹介しています。
私も、以前、一度だけデンマークへ行ったことがあります。
「世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」を読んで、デンマークを訪れ、デンマークに魅了された時のことを思い出させてくれました。
私がデンマークへ行ったのは15年ほど前のこと。まだ北欧ブームが日本に到来する前でした。
それ以前から、北欧のシンプルな雑貨屋や家具の、日本に馴染み深いデザインが好きで、ロイヤルコペンハーゲンの食器など集めていた頃。
ちょうどその頃、友人がデンマーク人の彼とお付き合いしていたこともあり、デンマークの話をよく耳にするようになりました。
今まで、海外旅行に行った国は両手ぐらいしかないのですが、その中でデンマークは一番「住んでみたい国」になりました。
「世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」は、著者の芳子ビューエルさんが、仕事や海外での暮らしで知り尽くしたヨーロッパ、特にデンマークの暮らしぶりを、紹介しています。
少なくて小さくて可愛いデンマーク
デンマーク人は堅実なリアリストでもあります。例えば、ものはあまり所有せず、室内にも多くのものを置かないのは、倹約のためだけではないと考えられています。
「ものが多いと整理整頓に時間がかかるし、必要なものを見つけるのにも時間がかかるでしょう。そもそも、片付けなくちゃって思うこと自体がストレスにならない?」
これはある友人の言葉ですが、なるほど、言われてみれば確かにそのとおり。よけいなものが少ないほど、ストレスのない生活を送れそうです。「ああ、そっちに考えるんだ」と、私は軽い驚きを覚えました。
多くは所有しないけれど、自分が大切だと思うものは大切に持ち続ける。よけいなものを抱え込んでストレスを感じるのはいやだし、他人の評価や意見に左右されるのもいやだけれど、自分が好きなものには徹底してこだわり、手間暇かけることも厭わない。毎日の生活の中で、そして自分の人生において、何が一番大切なのかを考えた上で、持つべきものをじっくり選択する。
デンマークの人々には、多かれ少なかれ、共通してそんな気質があるように感じます。
「世界一幸せな国、北欧デンマークのシンプルで豊かな暮らし」にも書かれていますが、国も、家も、家具も。全てが「小さくてかわいい」という言葉がぴったりマッチします。
旅行の時に訪れた、アンデルセンの生家。デンマークの地方都市オーデンセにそのこぢんまりとした家はあります。
こんなに狭い長屋に、どうやって家族が住んでいたの?と不思議に思うほど、小さな家でした。
近隣にはアンデルセン博物館があり、そこにはアンデルセンの生活を再現したお部屋が展示されています。
アンデルセンの生家。小ぢんまりとした長屋です。
アンデルセンの家の庭で変顔する長男。無造作に植生された草花がまた良い感じ。
一週間ぐらい滞在したでしょうか。滞在したのは、庭も料理も全てが美しい、Falsled Kro
。
ホテルレゴランドにも泊まりました。
室内も室内もレゴだらけ。子どもは大喜びでした。
デンマークのコンセント、かわいいです。
キッチンアイテム、最小限でも美味しい料理。
デンマークのキッチンで、調理器具や鍋が表に出ているのを見たことはありません。もちろん調理中は別ですが、午後の遅い時間などに訪問すると、どの家のキッチンも本当にきれいに片付いて、何も見えないのです。
アメリカのように収納場所がたくさんあるわけではありません。ちょっとした壁収納と、日本の家のキッチンと比べても小さめな食器棚がある程度。
どうしてそんなにすっきり整理できるのか、デンマークの友人に聞いて見ました。答えは単純明瞭。
「ものが少ないからよ。だってしまうところがないじゃない」
収納が小さいから、そもそも、ものをたくさん持てないといいます。確かに、その通りでした。デンマークの家のキッチンでは、なべもフライパンも、包丁やフライ返しのような調理器具も、食器やグラス類も、ほんとうに少ないのです。「料理がおいしければいいでしょ。そもそも、お皿をしまうところもないのに、たくさん買ってどうするの?」
友人は、けろりと言い放ちました。
しまうところがないから、ものを持たない。
まさに、「家を大きくしたら片付くかも」と多くの人が思っていることと逆の発想です。
でも、本来、小さい場所を最大限に活かすことができれば、大きなスペースは不要。そして、キッチンのような動作の多い場所は、コックピットのように小さいほうが、実は効率的ですね。
少数精鋭の道具で、美味しい料理を作るのが私の理想です。
そうじ道具もシンプル
ヨーロッパの友人が来日して、私の家に滞在していたとき、窓そうじを手伝ってくれることになりました。私は当たり前のように、ガラス磨き用の洗剤やワイパーを引っ張り出して、「じゃ、これでお願いね」と並べました。
ところが、彼女はきょとんとしているのです。
「これ、何?」
「だから、この洗剤でシューッとガラスをスプレーして、こっちのワイパーを使って….」
「そんなの、いらないわよ」
すっかり忘れていました。ヨーロッパの人たちは、そうじする箇所ごとに特別な道具や洗剤を使い分けたりしません。そうじ道具といえば、ほうきか、モップか、雑巾。洗剤なら石けん。あとはバケツと水があれば十分です。
ほんとうにそんなに多くの洗剤や道具が必要なのでしょうか。
そうじをしようと思ってシンクの下の戸棚を開けたら、あれこれ色々な洗剤が並んでいて、お目当ての洗剤を探し出すのに一苦労。しかも、他の洗剤はたっぷり残っているのに、肝心の洗剤のボトルだけは空っぽだった…なんてことはありませんか。
洗剤など、食べ物以外のストック品も、私たちの家の収納を圧迫しています。種類が多ければ多いほど、ストックを管理するのも困難になります。私も、なるべく食酢や石鹸、過炭酸ナトリウムなど、多くの用途に使える洗剤だけを厳選して持つようにしています。種類を少なくすることで、「在庫管理」という仕事を一つ、手放すことができるんですね。
北欧の典型的な暮らし。キーワードは、ミニマム、シンプル、ナチュラル。
この本で紹介されている北欧の生活で印象に残ったキーワードは、ミニマム、シンプル、ナチュラル。
私の目指している暮らしそのものです。
でも、それは北欧だけのものではありません。ちょっと昔を振り返れば、私たち日本の暮らしも、ミニマムでシンプルでナチュラルでした。
気持ちの良い暮らしかたの指標を、北欧の暮らしからヒントを得られる、読後感のとても良い本でした。
シンプルな暮らしの参考に。
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