流行の食のスタイル「ビーガン」。
その真逆ともいえる、だけどとても大切な視点を与えてくれる漫画があります。
それが、「銀の匙 Silver Spoon」。
物語の舞台は北海道の農業高校。
主人公・八軒勇吾くんは、進学校での生活に疲れてこの高校に入学するのですが、最初は慣れない農業の世界に悪戦苦闘します。
でも、仲間との交流や、動物と向き合う体験を通じて、命と食に対する姿勢が大きく変わっていきます。
牛や豚、鶏たちが育てられていく過程を間近で見て、その命が食卓にのぼるという現実。 そこに向き合う生徒たちの姿勢は、「食べる」という行為に真剣さと敬意を持たせてくれます。
子供に限らず、大人も「かわいそうだから肉を食べない」という考えに共感する場面はあると思います。
もちろん、倫理的な価値観や選択肢としてのビーガンを否定するつもりはありません。
でも、その前に、一度でいいからこのマンガを読んでほしい。
感情論だけでは済まされない、命を「いただく」重み、そこに関わる人たちの努力や誇り、そして複雑な想い。 「銀の匙」は、その全部をまっすぐに描いてくれています。
この作品は子供にとてもおすすめ。
成長過程では、いろんなことに疑問を持つ時期。
その時期にこそ、「食べる」という何気ない日常の行為を、ちょっと深く考えるきっかけになる。
単に「食べ物を粗末にしないで」と言うよりも、このマンガを読んでもらったほうがずっと伝わるんじゃないかな。
活字の本よりも、漫画の方が子供は手に取りやすい。
そして、「銀の匙」は、そんな漫画の力を存分に発揮した良作です。
笑いあり、友情あり、青春あり。 エンタメとしても優れていて、押しつけがましくなく、自然に「命と食」の重みを感じさせてくれます。
「いただきます」の意味を、ほんの少しでも心に留めてくれたら。
食べ物の背景にある人や命に、思いを馳せられるようになったら。
そのきっかけとして、「銀の匙」はとても良い入口になると思います。
ところで、読み進めていくうちに、「なんだか絵の雰囲気がどこかで見たような?」と思って調べてみたら、なんと原作は「鋼の錬金術師」と同じ荒川弘さん。
荒川弘さんが女性だというのもこの作品で初めて知りました。
あのハガレンと同じ作者だと知って、かなりびっくり。 まったくジャンルは違うけど、命の尊さや人としての在り方を真正面から描いている点は、どちらの作品にも共通しているなぁ、とあらためて感じました。
子供の読書タイムに、あるいは一緒にテレビやゲームを楽しむ感覚で、「銀の匙」を親子で読む夏休み。
そんな時間を過ごせたら、きっと会話も広がって、食卓での「いただきます」の意味がちょっと深まるかもしれません。
読みやすいけど、じんわりと考えさせられる。
そんな良質な時間になること、間違いなしです。
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