cozy-nest 小さく整う暮らし

男子3人を持つワーママ、尾崎友吏子がつづる、暮らしをダウンサイジングして、すっきり簡単に片付く、自然に優しいシンプルな生活。

モノトーンの服を愛する理由


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今朝、「黒を着ない理由」という記事が目に止まりました。

xn--eckub9eg4gl8c.jp.net


というのも、私は、黒い服が大好きだからです。
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DAHLIA★さんの記事によると、

『黒』はとっても強い色。

黒を着ると
”自分らしさ”を全てかき消される感覚があるので、
今後も黒を手に取ることはありません。


心理学的に『黒』は
・新陳代謝を止める(老化を促進させる)
・防衛の色(他人を拒絶する)
・孤立を促す色
自分の才能や力を制限する力を持っているそう。
※逆に良い点も、もちろんありますが今日はスルーします。


だそうです。

結構当たってる!と思いました。

黒い服はまさしく、私にとっては鎧のような存在なのかもしれません。
本当は弱い自分を隠して、強く見せたい。または、強くありたい。そんな心理が働いているのかもしれません。

そして、他人を拒絶して、孤立を促す、というのも、ある意味当たっていると思います。
こうして日頃ブログにて自分の言葉を書き綴っている私ですが、実は人見知りで、人づき合いは苦手。

もちろん、友達と楽しくやる時間も大切ですが、それはそんなに多くなくてよく、むしろ一人でいる時間が大好きだったりします。


そして、DAHLIA★さんがスルーした、黒のいいところは、他のサイトにお任せするとして、私は自分がなぜ黒い服が好きのか考えてみました。

もちろん、このような性格的な要因で黒が好き、というのもあるのでしょうが、私の場合は、個人的に、他の色よりもモノトーンを好む理由がいくつか思い当たります。


色はノイズになる

私は、高校生の頃から絵を書いていました。大学では、デザインを学んでいました。当たり前ですが、カラフルな画材を毎日扱っていました。
色は、無限にあります。例えば、白でも、輝くような白、青みがかった白、柔らかいオフ白、少しオレンジの入った暖かい白。

白でさえ、そんなにたくさんあります。絵を描くとき、どの色を重ねて行くのかというのを、一つ一つ選んで行きます。無限にある色から、画材で乗せたい色を作って行くのですが、それは無限の中から最適な一つを選ぶというかなり大変な作業をずっと繰り返すのです。



ずっとそのようにさまざまな色と付き合うと、絵を書いていないときはもう色に疲れて、見たくない。身にまとうものも、白とか黒ぐらいがちょうど良い感じなんですね。



私は、もう絵は書かないのですが、その「色に疲れる」感覚を、ずっと引きずっているように思います。

よく、ファッションショーなどで、奇抜な服を作ったデザイナーが、最後にモデルと一緒に出てくるとき、そんな奇抜な服を作ったとは思えないほどシンプルな服装で登場するのをよく目にします。そんな、スーパーデザイナーと、ちょっとデザインをかじっただけの私が同列になることは大変おこがましいですが、きっと色に疲れたような、同じ心境なのかな、と推測してみたりします。



単色だから素材が引き立つ

「色疲れ」と、少しかぶる話ですが、色がいろいろあるように、絵でなく、実際にあるものに着色された色は、下の素材によってその発色具合や見え方が異なってきます。これは、写真などではなかなか分かりにくいです。

例えば、黒い服は一色のように見えても、素材でかなり色が違って見えることがあります。日光の下では、特にそれを感じます。サテンの上の光沢のある黒、ベロアのなめらかなつやのある黒、牛革の上の堅牢な黒、豚革の上のふんわりとした黒。どれも違うんですよね。黒という色が同じだからこそ、素材感の違いも際立ちます。

つまり、黒一色でも、素材によって見えかたは色々なので、それで十分変化があると思います。素材の違いだけで情報がいっぱいいっぱいのところに、色をたくさん加えると、もうそれはうるさく感じてしまいます。

白は、特に素材感がわかる色です。陰影がはっきり出るので、素材をより活かせるし、よくも悪くもそのものが出ますね。黒は、そうしたものを隠しやすいです。


服の色を選ぶ時、一般的には黒は、顔を暗くする、明るく見せるには白っぽい色、とよく言われていますが、色の明暗の対比効果によって(明度対比)、隣の薄い色がより薄い色に見えることは、あまり知られていないのでしょうね。



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http://www.color-sp.com/old/color-taihi.html

真ん中のクレーは同じ色。濃い黒の枠より、白い枠の方が色が薄く見えます。

また、写真に撮られる時も、オートモードにしているときには、上半身に黒い服をきたほうが色白に写ります。これは、ほとんどのカメラが、広範囲の明度にあわせて露出を自動調整するからです。







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我が家のインテリアは、ほとんど色がないです。色のものはほとんど買わず、無塗装のものか、黒か白のものが多いです。

というのも、部屋の中にも色々な素材があります。そして、その素材は、独特な色を持っています。
壁はキナリ色ですが、和紙なので、独特の風合いがあります。近くで見ると、商品の自然な不均一さがあり、手触りも良いのです。




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床はもっとも安い「フシあり」の無垢材。リビングでは、ヒノキを使っています。ちなみに、次男の部屋はスギ材を使っています。

同じ木でも、針葉樹と広葉樹では、硬さや触った時の温度が違います。そして、同じ針葉樹のヒノキとスギでさえ、テキスチャーや色も違います。そして、同じヒノキの一枚の板でも、自然の模様があります。こうした模様は、鰹節のように薄い木に、それらしく木の絵をプリントしているフローリング材とは異なります。



赤ちゃんの積み木に、よく赤や青の原色の塗料が塗ってありますね。
赤ちゃんに色の情報という刺激を与えているように見えますけど、逆に言えば、木の素材感を消してしまっていることにならないでしょうか。

色を多用することで、色に惑わされて、素材感というもう一つの大切な要素から遠ざかってしまうような気がするのです。





無塗装の木のおもちゃ。

1ピースずつ、木種が違うので、素材のちがいを赤ちゃんが手触りや色、模様で感じることができます。


日本の木のおもちゃ_9種のこっぱのつみき 21ピース 無印良品ネットストア



自らがノイズにならない

環境というのは、そこにあるものすべてを含めて環境と言います。
街の環境を作るのは、そこにある緑や公園だけでなく、建物、道路や信号、看板などの建造物、街にあるゴミ箱やポスト。そして、そこにいる人までが環境です。



どこか素敵な街並みは、それを維持するべく何かしらの規制が存在します。
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https://www.jalan.net/kankou/


私の住んでいる地区も、戸建は面積などの規制が条例にあります。
また、以前住んでいたアメリカの集合住宅では、「カーテンは白に」と決まっていた物件に2か所住んでいました。
友人が住んでいたドイツの家では、ベランダに緑や花を植えることが決まっていたそうです。



雑多な色や規制のない環境は混沌としています。
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http://www.recordchina.co.jp/b184698-s0-c30.html


そして、街や部屋の環境は、そこにいる人も含まれます。もちろん、服装もです。
私は、どちらかというとおしゃれを楽しんだり、主張することよりも、衣服は第2の皮膚として、自分の心地よさのためと考えています。

そして、デザインはそれほど主張することなく環境に溶け込む服。一度見たら忘れられないほど印象的な服ではなく、どこのブランドかわからない、そしてどこにでもありそうな服。まあ、要するに、それほどおしゃれじゃないんですね。

もちろん、どんな服を着るのも自由です。でも、皆が好き勝手に色々な服を着ているのは、美しい環境にとってはノイズになることもあります。


学生服は非常に統制が取れています。私が通っていた高校は、私服でしたが、式典の時は、ジャケットやブラウス、スカートの色が限定されていました。もちろん、統制が取れた中でも、色の自由はあるし、形の自由がありました。


私は、トップスは大抵白、ボトムスは黒の服がほとんどで家で洗濯できるものばかりですが、この組み合わせだと私の活動範囲で大抵の場所に着て行くことができます。汚れても家で気軽に洗濯できれば、公園で子供と遊べるし、アイロンを当てれば学校の行事などにも着て行くことができます。


ぱっと見「おしゃれ」とか「若見え」の服より、自らが目立ちすぎることなく、環境に溶け込む。それも、自分の好きな形で。それが、私が服に求めている好きなデザインです。



すでに黒色をまとっている

日本人の髪の色は黒です。最近では、染めているのがだんだんと普通になって着ていますが、私は染めていません。染めたとしても、その色は大抵少し茶系に傾く程度です。



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http://mensfashion-brand.com/2016/02/12/yohji-yamamoto/



そして、肌の色も黄色です。中には日本人でもかなり色白の人もいますが、私などは例外なく本当に黄色。

私は、個人的には、何に対しても、うまく色が調和されていると感じるのは、白、黒を除いた1色、または2色だと感じます。もちろん、それ以上の色を多用して美しく見せることも可能ですが、それには高度なセンスが要求されます。当然、服に2色以上の色を入れるのは、難しいことだと思います。


髪の色は黒、目の色も黒、肌は黄色(薄茶)。そうすると、黒い色を服に一部持ってくることで、髪の色も含めた全体の調和が取りやすいのです。黒い色を違和感なく服に溶け込ませることができるのは、黒い髪を持つ特権だと思います。



「東洋人は、黒が似合う。」これは、私が留学時に痛感したこと。当時、大学では、黒髪を褒められたり、黒い服が好きな人に羨ましがられたりしたことがあります。


黒で集中する

黒を着るとなんだか落ち着いた気持ちになります。
精神的に不安定なことがあっても、落ち着いて色々な物事に対応できる気がするのです。

また、私は天然素材の服が好きなのですが、市販の天然素材の服は、いわゆる「ほっこり系」が多く、私の本来の好みとは少し違います。
その中で、黒を持ってくると、全体的に引き締まります。

ちなみに、家では、着ていてほっとする白やキナリの服が多いです。
(白すぎる服も、やはりなんだか緊張するので、せいぜいオフ白です)

黒はオンの服、白はオフの服といったところでしょうか。
こうして、オンとオフの切り替えが、もっとも効率的にできるのが私の場合は黒と白なのだと思います。



媚びない黒服は潔い


私が黒服を好んで着る理由は、母が黒服を好んできていたから、という理由も大きいと思います。
大好きな母は、黒ばかりきていたわけではありませんが、印象は黒い服が多い人です。


黒は「人を拒絶する色」そして「邪悪な色」の象徴なのかもしれません。
ブラックという言葉はよい意味でつかわれないし、映画やドラマの悪役はたいてい黒づくめです。

でも、どうしても、敬愛する母が着る黒い服が、人を拒絶したり、邪悪だとはどうしても思えないのです。
これは、あくまで私が独自にもっている印象です。
むしろ、「黒を着ているけど、よい人間もいる」「黒い服だけど悪とは限らない」と考えています。


服で他人に媚びることなく、マイスタイルを貫く。それでも、服に囚われずに内面をみてくれる人はかならずいます。

そうした黒のストイックさに、魅力を感じます。


黒で難を吸収する

黒は収縮色なので、痩せて見える効果があるとよく言われますね。
私は、痩せて見えるよりも、衣類の影ができにくいのでスッキリ見える、という効果があると思います。


先日、無印の店舗で新商品の服をいくつか試着しました。

私がいいなぁ、と思ったボートネックのTシャツがありました。
襟の形は大好きな形で、あき具合も、小さすぎず、大きすぎず。
以前ならすぐに買っていたと思います。自分の似合うデザインは知っているつもりでした。

白を試着すると、胸の下、脇などに嫌なシワが。体重なそれほど変わっていないのですが、若いころのピンと張り詰めたシルエットは程遠く。そのせいで、影もできるので、アラが目立ってしうのです。胸は以前より下がっているし、体の皮膚の表面が柔らかくなっていて、凸凹が目立ちます。一方、黒やネイビーなどの濃い色なら、こういう微妙に現れるシワや陰影を隠してくれるので、便利なんですね。

「結局そこか!」と突っ込まれそうなオチで恐縮です(-_-;)




少し細身のニットやカットソーなども、黒なら、まだ少しだけ安心して外に着て行くことができるかもしれません。
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