cozy-nest 小さく整う暮らし

男子3人を持つワーママ、尾崎友吏子がつづる、暮らしをダウンサイジングして、すっきり簡単に片付く、自然に優しいシンプルな生活。

知床クルーズの思い出 & 危ない北海道


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知床のクルーズ船で事故があってから2週間が経ちました。

海難事故に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

すべての行方不明者が1日でも早く発見されるよう祈るばかりです。


昨年の夏。私たち家族も、知床クルーズを体験しました。

私たちも、事故に遭った同じ3時間の知床半島の先端までいくルートを選びました。

そんな縁があったものですから、あの事故は、とても他人事とは思えず、いろいろ思うところがあります。




知床のクルーズ船を乗ろうと思ったきっかけは、道東が故郷という友人の強い勧めでした。

道東旅行をきめたものの、行きたいところがたくさんありすぎて、どこをどれぐらい行けばいいのか分からず、道東出身の友人に相談したところ、

知床クルーズ船だけは外せない!

と勧められました。


その勧めもあって、知床クルーズは、道東旅行のなかでも一番期待していたアクティビディでした。

知床半島クルーズを行っている会社は、当時5社ほどあり、ツイッターなどで以前事故を起こした会社があるという1社を除いて4社のなかから選びました。
今思うと、選ぶのから除外した会社が今回事故を起こした船だったのかな?

私たちが船に乗った日は、曇天だったものの、とても波は穏やかで、むしろちょうど良い気候でした。



クルーズはとても素晴らしい体験でした。
人が立ち入ることができない断崖絶壁、
図鑑でしか見ることのなかった地層、
双眼鏡で一生懸命野生動物を探し
ヒグマを見ることもできました。

クルーズの航行時間は3時間。午前中を選ぶと、半日費やすことになります。その前に30分の説明があります。貴重な旅行行程の中では、かなりの割合をクルーズが占めることになります。

クルーズの前は、集合場所にあつまり、30分の安全講習を受けます。ただ船に乗るのに、30分も安全講習が必要なの?とそのときはおもいましたが、今思うとそれがいかに大切なのかがわかります。



北海道旅行に来てクルーズ船に乗ろうという人は、近所の人がフラっと来ているわけではありません。

我が家など、数年前から何度も道東旅行を試みていましたが、天候やコロナで実行が叶わず、ようやく旅行にいけたところでした。




もし、それが天候や波の影響で出港が中止となれば、本当に残念におもったことと思います。

もちろん、今回の事故は、報道されているように運営会社の危機管理がなっていなかった、というのが一番の原因でしょう。
悪天候を判断できず航行を決行したり、操縦者が未熟だったというのも事故の要因で、これは疑う余地はありません。

事故は防げなかったとしても、船が沈みかけたあとの対応に、いろいろ問題点があったのでは、ということを、辛坊治郎さんが指摘されています。

辛坊さんといえば、昨年にはヨットで単独太平洋横断した、関西では著名なフリーアナウンサー。

以前太平洋をヨットで横断しようとして一度は失敗した辛坊さん、小型船航行にかんして語らせれば、きっと右に出るものはいないでしょう。

内容は、購読している辛坊さんの有料メルマガに書いてあったので、ここで明らかにはできません。




が、かいつまんでいうと、あの冷たい海に落ちたら、15分で助からない、ということをだれも認識しておらず、その備えも対応も何もできていなかった、ということです。

私がお客として知床クルーズに乗った時も、私自身がまったく危険を認知していませんでしたから。


ただ、天気がよく、想定外に暑かった北海道でも、知床半島の先端に進むにつれ、風がとても強くなり、寒さを感じてウィンドブレーカーを途中で着ました。

私が、知床のクルーズ船に乗ったのは、友人からの勧めで、海からでしか見られない秘境知床の大自然やヒグマの姿、というのもありました。




が、それ以上に、日本の端を、この目でみて、そして子どもたちにも見せたかったから。

半島の先には灯台があり、その先は根室海峡。そこには国後島が見えます。

我が国の領海なのに、これ以上前に進むことができない船。


ここから先、もしちょっとでも近づけば、ロシアから攻撃を受けるかもしれない。

そのときは、まだロシアの戦争は始まっていなかったのですが、そんなことを思いました。

終戦後すぐ、悲惨なことがおこった千島列島。
1945年、ポツダム宣言受諾後、日本が武装解除してもなおロシアは侵攻し、占守島(シュムシュ島)で攻防戦が繰り広げられました。

日本軍はすんでのところでソ連の侵攻を防いだのです。

そのときの陸軍司令官、樋口希一郎らの活躍がなければ、北海道はロシアのものになっていたかもしれません。

そんな大切な歴史を、私たちは学校でも学ばないし、テレビで報道されることもない。




そして、今再び、剥き出しの野望をあらわにしたロシアに対して、逃げろだの、ロシアを擁護する発言をするコメンテーターを平気で雇って放送しているテレビ番組の多いことか。ほんとうに見ていられません。
おそらく、テレビはすでに「侵略」されてしまっているのでしょうね。




そして、実は危機と隣り合わせにいるかもしれない私たちに、そのリスクをできるだけ回避するにはどうしたらいいのか、一刻でも早く真剣に考えるべきです。

今回のロシアのウクライナ侵攻で、日本が今いかにキケンに晒されているのか気がついた人も多いはず。

でも、まだまだ多くの人が遠い国でなにか大変なことが起こっている、ぐらいにしか考えていない。
まるで、昨年、クルーズ船に乗った無防備な私たちのように。


誤解のないように付け加えておきますが、道東はとても魅力的なところだし、また行きたいと思っています。

知床のクルーズはとても貴重な体験ができます。
今回の事故を教訓に、危機管理もさらに高めていることでしょう。




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