現在店頭に並んでいるCHANTO 11月号の特集は、「家事を捨てる技術」。
私も、取材をいただき、載せていただいています。
このお話があった時、大変おこがましいのですが、実は一度お断りさせていただきました。
というのも、私は、家事は暮らしや生活そのものであって、それを子どもたちに伝えたいと常々思っているからです。
編集部の方に、このままのタイトルなら、ほかの方でお願いします、と申し出たところ、
「しんどい家事を捨てる技術」と変えてくださいました(表紙にはその記述がありませんが)。
やらなければいけない、と思って、苦しんでいる事ってたくさんあります。
でも、それは、たいてい私たちの思い込みだったりします。
やらなければならない、それは自分の知っている限りのことも多いのです。
日本の食事は手間ひまかけすぎ?
ピザが主食
私が、日本の食卓って、バリエーションが豊富で、作るのにも時間をかける、と知ったのは、学生の時アメリカに住んでから。
そもそも、夕食がピザだけ、という家庭がいたって普通にあるのが、オドロキでした。
ちなみに、ピザは宅配ではありません。
もちろん宅配ピザもあるし、コストコにあるように家に帰ってから焼くだけのピザもスーパーに売ってもいます。
が、生のピザ生地が普通に売っています。
それを広げて、ピザソースをかけて、ペパロニ(大きいサラミのようなもの)やグリーンペッパーとチーズを散らして、大きなオーブンで焼くと、手作りピザのできあがり。
私の友人のホストファミリーは夕食は週に2回ピザと決めていました。
アメリカは色々な国からの移民が多いので、スーパーでは面白いぐらいに各国料理の素材が手に入ります。でも、それを使って「今日は洋食?それとも和食?中華?」なんて悩んだりはあまりせず、馴染みの料理を作ります。
朝食だって、今日は白米で明日はパン、なんてことはしません。私の知っているアメリカ人は、朝はシリアルと果物、というようにほぼ毎日同じ朝ごはんを食べている、という方々が多くいらっしゃいました。
シリアルと果物なら、子供でも自分で用意できちゃいますね。
また、職場の食堂や学食も朝からあいているので、学校や会社で朝ご飯を普通に食べるという人も多くいます。
日本人って、本当に各国の料理を家庭で料理し、食べてるんだなぁ、と思ったものです。
お弁当はパンとピーナッツバターとりんご
当時のアメリカの代表的な小学生のお弁当は、サンドイッチ用にスライスしたパンにピーナッツバターを挟んでサンドイッチにしたり、マヨネーズを塗ってハムとチーズを挟んだり。りんごも一緒に持たせます。
ピーナッツバター=タンパク質、りんご=野菜果物で、OK?
りんごは切っていなくて丸ごと1個。アメリカのリンゴは小さいんですよね。切らなくて丸かじり。楽チンです。もちろん皮は剥きません。ましてや、切って塩水につけたりもしない。ウサギに切ると言ったら、仰天します。
りんごが他の果物に変わったり、ピーナッツバターがハムチーズになったりすることはあります。また、ベビーキャロットやブロッコリーなど、野菜が添えられていることも。ベビーキャロットは洗うだけで切る手間不要。ブロッコリーは、アメリカでは茹でずに生で食べます。
サンドイッチも、売っているスライスチーズやハムを乗せたりするだけなので、「調理」とは言い難い。
日本では、おにぎりとお漬物だけのお弁当、みたいな感じでしょうか?
まあ、おにぎりの方がお米を炊いて握るだけ、随分と手間もかかります。
キッチンがない住まい
台湾では、食文化が豊かで食べ物が美味しそう、というイメージですが、実は台湾人の女性はあまり料理が得意でない方が多い、と台湾人の知人から聞きました。
というのも、もともと料理は女性が作るもの、という考えが薄く、男性も積極的に家事をします。夫婦共働きが普通で、子どもを産んで長く産休や育休を取る、というシステムがあまりありません。産後2週間ほどで職場復帰する人もたくさんいるそうです。
そして、カップルが住むような小さい住まいでは、キッチンがついていない家というのも多いと聞きました。日本では考えられません。
外食業が盛んなので、気軽に外に食べに行くことができるんですね。
夕食は火を使わない
ドイツでは、kaltes essen=冷たい食事 が有名ですね。
ドイツに行った時に、実際に友人に作ってもらいました。
実際は、作るというより、パンとハムとチーズを並べるだけなのですが。
野菜は、トマト、果物などを切って添えたりすることもあります。
ドイツは住まいも家事も非常に合理的。
クタクタに疲れて帰ってきて、ご飯を用意して食べたと思ったら、また洗い物が待っている…なんてことがないんですね。
もちろん、夕食が決まっているので、献立に悩んだりすることもありません。
悩むとしたら、今日はどのハムにしようか?ぐらいでしょうか。
こうした食文化があるせいか、ドイツの加工肉ってほんとバラエティも豊富で、美味しいですね(日本のインチキハムとは雲泥の差)。
ごく限られた例を紹介しましたが、ほんとうに日本の食卓はあらゆる調理法、あらゆる国の料理がならぶのが通例。それはそれは大変です。
ちょうど私たちの親世代は、専業主婦が多かったので、そうしたゆとりがあったのでしょう。
そのゆとりや豊かさは悪いことではありませんし、むしろ素敵なことだと思います。
子育てしている限りは、当然その責任を全うする義務があります。
でも、全てにおいて完璧に、などできるはずもありません。
でも、もし共働きなら、当然時間が限られるから、どこかにしわ寄せがくる。
私ぐらいの年齢になると、色々な人がいます。
理想的な家庭を続けようと頑張っても、結局は離婚(離婚も、必ずしも悪いことだとは思いませんが、お子様を引き取れないケースも)。あと、精神的に病んでしまう方も何人か見てきました。
真面目すぎて、かえって何もかも失ってしまう、その前に。
それなら、自分が大切にしている、本当にやりたいことに注力し、それ以外のことはできるだけ労力をかけないというのも一つではないでしょうか。
やめる家事は、人それぞれでいい
何を大切に思い、何はやめてもいいのか。
価値観は人それぞれだし、生き方も人それぞれ。ましてや、家事なんて結局その家のお話なので、それは自分で選んだらいいんです。他人様の家のことを「手抜きしてる」「もっとやるべき」なんてこと言われたくないし、もちろん言いません。
私は、基本的には食べることが好きなので、うまく手は抜きつつも、食事の用意は比較的しっかりします。
掃除はあまり好きではないので、「持たない」「すぐ汚れを取り除く」という選択肢で、なるべく時間をかけなくても綺麗を保てるようにしています。
例えば、揚げ物を自宅でしない、というのはマキさん。
お子さんが女子二人なので、これも可能でしょう。そもそも、揚げ物自体、本当はあまり食べない方が体にも良い。非常に合理的です。
私も実家は男兄弟がいなかったので、料理好きの母も、あまり揚げ物はしませんでした。トンカツは実家で食べる習慣がなかったです。
一方、食べ盛り男子3人いる我が家では、揚げ物はしないというのはありえません。お弁当の時は時折朝から揚げ物することもあります。グリルで温め直しても美味しいけど、食べ比べるとやはり朝に揚げた方が美味しいと息子たちから言われます。普段はグリルで温め直し、でもちょっと余裕があれば朝から揚げ物も。
揚げ物は外食の時だけ、と入っても、外食も家族の時間が合わず、頻繁にはいけないので、月に1度も食べられないし、外で買ってくるのはあげ油のクオリティが気になってしまいます。
以前、授乳時に、チェーン店のとんかつ屋さんでカツを食べたら乳腺炎になりかけて酷い思いをした時、やっぱり外食の油は違うんだな、と思いました。それまでは家で作ったものを食べても、おっぱいは大丈夫だったのに、外食は一発アウトでした。
特にパン粉のついた、ディープフライの揚げ物は、個人的には外では滅多に食べないようにしています。乳腺炎がトラウマになっています。
そして何より、「ジャスト揚げたて」のおいしさは、家で食べるのが一番、と思っています。そして、家で揚げると、油を選べるせいか、胃もたれしないんですよね。
最近では、揚げ油は米油をメインに使っています。
さらっとしていて、食べやすいです。お菓子作りにも使います。
パッケージが紙パックになって、収納も廃棄もしやすくなりました。
ちょっとコクが欲しいときには、太白ごま油を使います。
野菜の天ぷらなどの時にはこれ。
あくまで我が家の場合なんですが、
揚げたての美味しさ > 掃除や油の管理の手間
という図式が、現在の我が家では成り立っています。だから、いまは揚げ物します。
きっと大食らいの息子たちがいなくなったら、揚げ物しなくなるでしょうね。
なお、夕食に揚げ物をするのは、家族の食事時間が比較的揃う週末のみです。
専用の道具はいらない。掃除もすぐにやればさっと落ちる。
揚げ物専用のお鍋があると、油はねが少なかったり、上手く揚げられたりするんでしょうけど、我が家の場合は、手持ちの鍋で間に合っています。専用の鍋、というのは、ほとんどが他のもので代用できます。
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CHANTO 11月号で紹介されていた、おさよさんご愛用のニトリの油はね防止網など使ったら後片付けも楽になるかもしれません。
お掃除は、油が温かいうちに、炭酸ソーダスプレーでさっと拭く。
そして、五徳や鍋はウエスで拭いた後、食洗機にかけて洗ってしまうので、片付けの手間は炒め物とあまり変わりません。
揚げ物するときのお鍋は、万能なクリステル鍋。
大量に素早く唐揚げ1.5kgを揚げるときや、かき揚げなどには、浅型26cm。
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揚げ焼きなど、少量の油で間に合うときには、鉄のフライパンで。これが一番片付けが楽。
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お弁当など、少量揚げるときには、小さなストウブ鍋が大活躍です。
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毎日作っているお弁当。
朝が苦手な私にとっては、確かに「しんどい」家事のひとつ。
それでもやっぱり作るのは、「お母さんのお弁当が一番美味しい」と喜んでもらえ、買ったお弁当よりヘルシーだから。
そんな声を聞けば、やはり
食べてもらいたい > 作るのしんどい
となりません?
家事を減らすのに必要なのは思考
CHANTOでは、「家事を捨てる技術」というキャッチーなタイトルですが、家事を減らすのには、技術よりも思考だと思います。「技術は駆使」して、「思考を柔軟に」すれば、我が家だけの快適な暮らしの落としどころが見つかるはず。
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