昨日の記事、ちょっと補足させていただきます。
新築には新築にしかないメリットもたくさんあります。
自由設計、新築に住まう満足感、こだわりの素材で設計など。
ただ、世間ではメリットの部分が売り手からの売り文句や、それに影響される幻想などで溢れているので、あえてあまり語られていないデメリットを取り上げた雑誌を記事にしたものです。
「結局新築を買えなかったから中古なんでしょ」とお思いになる方もいるでしょう。半分当たっていて、半分当たっていないです。
もし我が家が新築物件を買うゆとりがあるなら、自分で住まず、人に貸して家賃収入を得る方がいいですね。それだけ、現在は個人的には新築に対する優先順位が低いです。
生涯に得られる自分の所得のなかで、何にお金を使いたいかということを自分軸で選んでいる、という方が正しいかもしれません。
5000万円あったらどう使う?
生涯に使う家計の中で、今回、マンション購入に使える最大限の予算が5000万円取れるとします。
例1 5000万円を新築物件購入に。(70m2 4500万円、ローン利息、手数料、その他経費)
例2 5000万円のうち、3000万円を中古物件購入、1000万円を入居時のリフォームに、のこり1000万円を、将来ライフスタイルが変わった時にするリフォームや住み替えのために。
例3 5000万円のうち、3000万円を中古物件購入、1000万円を入居時のリフォームに、のこり1000万円を、将来の子どもの教育資金上乗せに。
例4 5000万円のうち、2500万円を小さい中古物件購入、500万円を入居時のリフォームに、のこり1000万円を、こどもの教育資金上乗せに、1000万円を老後の貯蓄に
例5 5000万円のうち、家を買わず、家賃15万円の賃貸住宅を、27年間借りる。
(注:ローンを組んだ場合は、ローン残高の利息分「例1」がもっとも使える額が少なくなります)
人により、いろいろな優先順位がありますね。
数字は違いますが、我が家のえらんだのは上記の例4に近いです。
お金の使い方の「正解」
いただいたコメントです。
色々と考えさせられる記事でした。
自分は、今住んでいるところが大好きで
楽しんで住んでいます。
でも、こういう観点からいくと、明らかに
デカイ消費をしているんだな、と気づきます。〜bingoさま
結局、本人が満足すれば、どれも正解です。
逆に、不正解になる場合は、結果的に本人の満足度が低い場合です。
・ローンが重すぎて、必要な子どもの教育費が十分に出せない。
・返済のために、ムリに仕事に出なければならない。
・返済のため、勤務時間が長すぎて、家の手入れが行き届かなくなり、家が心地よい空間でなくなる。
・返済の見通しが甘すぎて、結局家を手放すことになる。
・売値より、ローン残高が多すぎて、売りたくても売れない。
買う時にはそんなことない!と思っていても、周囲を見回すと、当てはまる人が少なからずいます。こういう話は人は積極的に話さないので、表面化しにくいだけなのかもしれません。
ローンを組んだら、家は自分のモノではない
ローン審査を通過して、やっと手に入れたマイホーム。でも、ローン残高が残っていれば、完全に自分のものになったとは言えません。
所有者は自分になりますが、家はローンの担保にはいっているから、債権者は銀行になります。ローンの支払いが終わり、初めて物件が完全に自分のものとなります。
新築物件を購入して、繰上げ返済をして10年で払い終えたら、手にできるのは築10年の家。
35年で払い終えたら、上物はほぼ無価値の築35年の家。住み続ける覚悟があるなら、リフォーム費用はかならず別にとっておかないと、住みたくても住むことができなくなる家となります。
ライフスタイルの変化を見越して
忘れがちなのが、ライフスタイルは変化するということです。
年老いて、階段が登れない。
広すぎて、掃除が面倒。
使われていない部屋あり、倉庫のようになっている。
人に貸すために、リフォームの必要がある。
住み替えたいけど、家が古すぎて良い値段がつかない。
「新築の満足度」というのは、5年も生活するとなくなると言われます。
数十年後、その時の生活に合わせてリフォームや住み替えできる余裕を忘れずにとっておきたいものです。そのほうが、長い期間「住み心地よさ」を享受することができます。
モノを減らしたら、広い住居が不要に
我が家では、モノを減らしたことによって、それほど広い住居が不要になりました。
拙書「3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法」
PART2「小さい暮らしを始めるためのSTEP〜お金と時間を配分すべき、大切なものの見極め方」には、暮らしの中で、私が「所有する」「手放す」ものをどのように決めているかを書きました。
STEP1 理想の暮らし方を決める
STEP2 モノを減らす時、どう見極めるか
STEP3 モノを手放す時、捨てない方法も検討してみる
STEP4 新しいモノが必要になった時、買う前に考えたいこと
STEP5 新しいモノを買う時、買うべきものの見極め方
理想の暮らしのために、「いい」「素敵」「好き」と思っても、持たないモノ、しないことを決めました。こうすると、「欲」に惑わされず、自分自身の限られた時間やお金を配分するための優先順位をつけやすくなり、「夢」が実現しやすくなります。
〜3人子持ち働く母のモノを減らして家事や家計をラクにする方法 尾崎友吏子