新築は、1日誰かが住むと、中古になる。最新の設備やインテリアの仕上げは、新しいときはピカピカだけど、古くなって風味を増すものではない。
マンションの価値は、上物ではなく、立地。
不動産の価値は、たいていの場合は土地の価格で決まります。
だから、マンションは、いくら価格が高くても、土地の持分が少ないので、新築時の価格は高くても、資産価値は徐々に下落します。
土地の分は、投資と考えても、上の建物の分は、自分で住むなら、それは消費。
建築や、不動産業に関わった私の中で、新築マンションを買うという選択肢は、初めからありませんでした。
万が一、新築マンションの内装が、好みの天然素材オンリーだったら、購入していたのかもしれません。が、「売るが勝ち」のデベロッパーがそんな内装の提案をするはずもありません。
私たちの選んだのは、現在と同じような築40年以上の古いマンションでした。
古いマンションは、共用部に最新設備がない代わりに、多くの利点があります。
・固定資産税が安い
同じ立地条件の新築マンションとくらべ、固定資産税は3分の1〜4分の1。上物の価値が下落するので、税金もだんだん下がってくるとはいえ、継続して支払うものなのでバカになりません。
・修繕積立金の落とし穴
中古物件は、修繕積立金が高いと言われていますが、それほどでもありません。新築物件は、入居時は、修繕積立金預け金として、1戸あたり数十万〜数百万を、プール金として、徴収します。これは、販売価格と別途かかります。私の住んでいたマンションは、200から300万の預け金が必要でした。
また、中古の場合、過去の修繕積み立て金が建替えの際に還元されます。途中から入居の場合でも、建替えの際の分割割合は均一です。今回の建替えでは、過去からのプール金約250万円が還付されました。
新築物件は、修繕積み立て金は安いと言われていますが、それはデベロッパーがマンションを売りやすくするための見せかけの価格。5年後、10年後には積立額が増額されるケースがほとんどで、お金の管理が行き届いていない場合には5年後に倍になることもあるそうです。
・好きな内装にリフォームできる
古いから、内装を好きにリフォームできます。予算があれば、壁を動かしてリノベーションしたりすれば、内装はほとんどかえられ、新品同様にすることもできます。新築の場合は、素材や間取りのオプションは少なく、色が選べるぐらいの場合が多いです。
ただ、マンションの規約に干渉しないよう、注意は必要です。また、ディスポーザーなど、共用部分ではなくても、設置できない設備もあります。
キッチンも好きなメーカーが選べます
・安く購入できる
資産価値として、長く所持しておくには、新しいほうがいいのでは?でも、上物(建物)は徐々に価値がさがります。つまり、新築を購入し、そこに住まうことは、減価償却される「消費」になります。(新築を賃貸として貸し出す場合は、ある意味投資なので、この限りではありません)
以上の理由から、我が家が選んだのは中古物件でした。