無印のカウンターに、カタログと共に「くらし中心」という冊子が置いてあります。
たいてい、手に取って見ています。少し前のものですが、「コンパクト」という内容の冊子、とても興味深かったので持ち帰りました。
「成長の時代から成熟の時代へ。社会が大きく転換しようとしている今、もの煮対する欲求にも変化が見て取れます。そこにあるのは、大きいものやたくさんのものを持つことより、小さなものや少ないものでくらしていこうという、これまでとは異なる価値観。」
ものを作り、売っている企業いう立場ながら、「たくさん持つより少なくもつ」ことに注目している。なんとう大胆な提案でしょう。
![]() * 無印良品( MUJI )との生活 * |
そもそもコンパクトは、日本のお家芸とも言えるものでした。使わないときは重ねてしまえる重箱や入れ子の器、たたんで収納出来る布団や着物、用途に合わせて部屋の広さを変えられる襖や障子、階段の段差を生かして引き出しを組み込んだ階段簞笥 ・・・「たたむ」「重ねる」「巻く」「組み込む」「まとめる」「動かす」「変える」などの工夫で、さまざまな「コンパクト」を生み出してきました。それは、狭い国土の中で少しでも快適に生きていくための知恵だったのでしょうし、そこにはまた、簡素の中に美を見いだす日本独特の美意識もはたらいていたのかもしれません。
「食のコンパクトの現在」
主食、メインディッシュ、副菜、ときにはデザートまで、食卓上に並ぶものを、弁当箱という小さな空間の中にコンパクトに収めたお弁当。それは私たち日本人にとって、日々の暮らしの中に普通にあるものであり、同時にまた、花見や遠足、運動会などの行事を晴れやかに彩る食事でもありました。
特に、芝居見物の幕間に食べられていた「幕の内弁当」や、懐石料理の流れをくむ「松花堂弁当」などは、味覚的にも美的にも完成されたもの。職の国フランスの人たちも「一つの箱の中にフルコースが詰まっている」と目を見張るそうです。
晴れがましい日のお弁当だけではありません。身体を養うための一色として日々手作りされるお弁当には、家族の健康を重い、中食のひとときが心安らぐようにという、作る人の愛情が込められています。お弁当は、食文化や美意識だけでなく、作る人の想いを詰め込んだコンパクトな食事といえるかもしれません。」
松花堂弁当もよいけど、おにぎりで一食になってしまう日本人。おにぎりは世界で最もコンパクトなお弁当です。
無印も、コンパクトという言葉に注目しているんですね。
シンプルな暮らしを心がけている私に取って、最近の無印の商品は、さらに気になります。