cozy-nest 小さく整う暮らし

男子3人を持つワーママ、尾崎友吏子がつづる、暮らしをダウンサイジングして、すっきり簡単に片付く、自然に優しいシンプルな生活。

【防災】プロが教えてくれない不都合な真実と、災害に学ぶ大切なこと①


ads by google


台風19号の被災された方々のお見舞いを申し上げます。

昨年、我が家が経験した2日の停電の時の台風は、おもに風による被害が大きかったですが、今回の台風では、それに比べて風よりも雨の影響が大きいように思いました。

河川が氾濫、または氾濫間近で、避難勧告を受け、多くの人が避難所に行ったり、家が被災した経験をしました。

私は、土木建設の仕事をしているからか、雨がやみ水位が下がるまで、橋や堤防、ダムがなんとか耐えるよう、祈りながらニュースを見ていました。

残念ながら、いくつかの河川が氾濫し、堤防が決壊したり、もともと堤防がなく土のう積みだったところから水が流出したりして、被災した地域もありました。



「住んではいけない土地」にまた人は住む。

被災している方も多数いらっしゃる中で、大変お伝えしにくいことではありますが、それを覚悟の上で記事にします。

大雨や台風で浸水してしまうところは、仕事で結構地図を見慣れている私がみると、たいていが「やっぱりな」という場所です。

現在、本来「住んではいけない場所」に、多くの住宅や施設が存在します。




現在の地形を見てみる。

川のそばや沿岸部はまず水害の可能性が高いことは、当然です。

また、同じように川や海のそばでも、高台になっていたり、堤防がある区域なら、大丈夫な場所もあります。

一方、中洲状の地域、埋立地、川の合流地点の下流側および上流側、川の形状が急激にカーブしているところ、堤防がないところ、または対岸よりも堤防が低いところなどは、安全度の低い地域です。


多摩川の氾濫。実は堤防がなかった?

世田谷区でも、今回、多摩川から水が溢れてしまいました。仲の良い友人が数人住んでいるので、とても心配になりました。



昔のブラタモリの二子玉川の回。ブログにしている方がいるのでご参考に。
hiroshige-kitarou.blog.ss-blog.jp



ブラタモリを紹介しているブログ文脈をみると、登場する女将さんたちが土手の建設に美観のため反対していたけど、その後、後ろに土手は造られた、と書かれています。
これだけみると、土手の内側にある二子玉川の駅周辺はセーフだったけど、土手より川側は「住むのに覚悟がいる場所」。きっと今回被害に遭われたことでしょう。


市街地の変容と築堤の関係に見る無堤地区の形成史:第39回土木学会関東支部技術研究発表会
↑こちらの資料をみると、料亭街がなくなった後、再度堤防造成の動きがあったものの、反対派に規制され、堤防は完成せず、土のう積みだけだったところがあると書かれています。資料は2012年なので少し前ですが、当時からの状況が変わっていなかったとすれば、堤防が未完だったこの部分から今回浸水したとのだと推測できます。



以前、川が氾濫してできた平野部は、もしまた大雨が降り川が氾濫した場合は、同じく浸水する可能性の高い場所です。
長野県の千曲川では、堤防が決壊して大規模な被害が出てしまいました。
この地域の平野部は、ほとんどが「氾濫平野(氾濫原ともいいます)」。しかも、その一部は、もともと土地が凹んでいて、人工的に土を盛っている箇所があったようです。
その部分は、周囲に対して低いので、いったん水がたまるとなかなか抜けず、いつまでも水が引かない状態が続きます。

氾濫原(はんらんげん、flood plain)とは、広義には河川の流水が洪水時に河道から氾濫する範囲にある低地部分の総称である(沖積平野とほぼ同義)。狭義には、河成堆積地形の小地形の一種で、沖積平野のうち蛇行流路の発達した低地であり、扇状地と三角州との間にあたる部分をさす。自然堤防帯、氾濫平野、蛇行原ともいう。

氾濫原 - Wikipedia



都市部に多い「内水氾濫」

また、川や海が堤防を越えなくでも、浸水してしまうところもあります。

「内水氾濫」といって、土地が周りよりも比較的低い場合、豪雨などによって、雨水の排水がおいつかず、マンホールや排水管などから水が逆流してきます。道路が舗装されている都市部では、雨水が地面に浸透しないので、内水氾濫が起こりやすいと言われています。海の潮位が高くなると、逆流が激しくなったりすることも。氾濫は、上から来るとも限らないのです。

大きい川の本流に、支流が合流する周辺でも、「内水氾濫」の注意が必要です。


ハザードマップを要チェック。今の住まいの危険度は?

もし、自分の住んでいる地域が、安全な場所かわからない場合は、自治体が配布しているハザードマップを一度確認してみてください。
「〇〇市 ハザードマップ」と検索すれば出てきます。

もし、ハザードマップで危険な地域なら、それに備えたり、覚悟を持って住む必要があります。
今回、大規模な氾濫があった地域も、ハザードマップ上では危険地域でした。

不動産売買の際、不動産屋やデベロッパーには、残念ながらこの危険性を伝える義務がありません。
私たちは、自分で調べる必要があります。駅の近さや周辺施設の利便性、建物の美麗や新旧、街の雰囲気に加えて、その土地の危険度も考えなくてはなりません。

国や自治体は、危険を認知させる情報は示しています。
また、今回の台風ではメディアもかなり危険を伝える言葉を変えているのがわかりました。
でも、最終的には、避難するのか、するならいつ避難するのか、どこに住むかなどは、私たちの自己責任に任されてしまっています。
だから、家や家財、家族を守るには、私たちは、主体性をもって、行動、判断する必要があります。

続く。
www.cozy-nest.net

www.cozy-nest.net
www.cozy-nest.net
www.cozy-nest.net
www.cozy-nest.net
www.cozy-nest.net



「防災」タグのある過去記事

ブログ村テーマ災害・地震・防災


ブログ村テーマ自然災害(地震・台風・大雪など)の話題